三大欲求

自己顕示欲・承認欲求

本棚

趣味的な、居心地の悪さ

山崎ナオコーラ氏の『趣味で腹いっぱい』を読んだ。 主人公の鞠子は、夫の小太郎との二人暮らし。鞠子は趣味に生きるため専業主婦になる。小太郎のモットーは「働かざるもの、食うべからず」。でも、鞠子のことは好き。だから、鞠子の生き方に少し疑問あり。…

「私たちは生きる世界を選べないの」『天才感染症』デイヴィッド・ウォルトン(著)より

いや~、良い言葉だ。 先日、僕としては珍しくSF小説を読んだ。 その名も『天才感染症』。 天才感染症 上 (竹書房文庫) 作者:デイヴィッド・ウォルトン 竹書房 Amazon 天才感染症 下 (竹書房文庫) 作者:デイヴィッド・ウォルトン 竹書房 Amazon 「天才」とい…

ニートが読むべき本:『働くことがイヤな人のための本』(新潮文庫)中島義道

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫) 作者:義道, 中島 発売日: 2004/04/24 メディア: 文庫 大学2回生くらいの時、一時期この作者の本をよく読んでいて、その時にこの本を読んだことがあったが、最近ふとまた読みたくなって読んだ(「最近」と言ってもそ…

『世界から格差がなくならない本当の理由』(SB新書)池上彰

(この文章も2020年の11月頃に書いていたもの。途中まで書いて放置していた。 以下太字の部分は2020年11月に書いていた箇所) kindle本。最近は、同じようにスマホをダラダラ見るにしても少しでも有意義なことをしようと思って、割と簡単に読めてかつ興味を…

『感じない男』森岡正博 (ちくま文庫)

去年(2020)読んだ本。遅ればせながら感想を書く。 決定版 感じない男 (ちくま文庫) 作者:森岡正博 発売日: 2017/07/07 メディア: Kindle版 僕はこの本からかなり衝撃を受けた。自分の読書体験の中での衝撃度トップ5くらいには入ってこようという本だ。 こ…

『十九歳の地図』中上健次、河出文庫

去年(2020)読んだ本。 今更ながら感想を投稿。 十九才の地図 (河出文庫) 作者:中上 健次 発売日: 2015/01/07 メディア: 文庫 一昨年(2019)の夏ころ、この作者の小説を2冊ほど本屋で買い、少し読んだ後積読していた。 その当時も僕は鬱屈とした気分の真っ…

『松紳』島田紳助・松本人志(ワニブックス)

松本人志氏、島田紳助氏の書いている本が読みたいと思い、ブックオフに行き、たまたまこの本を見つけたので買ってきた。 正確には、この本は、両氏が「書いた」のではなく、両氏が出演しているトーク番組を文字に「起こし」たものだ。喋り言葉であっても書き…

『殺人出産』村田沙耶香(講談社文庫)

久しぶりに小説を読んだ。かなり濃密な読書体験になった。 殺人出産 (講談社文庫) 作者:村田沙耶香 発売日: 2016/08/12 メディア: Kindle版 表題作の「殺人出産」に関して。 この話では、「10人産めば1人殺すことができる」という制度を作ることで、人口減少…

『遺書』松本人志

『松本』に引き続き読んだ。今この人の書いたものを読みたいという欲求があるのは、この人の自信がどこから出てきているのかを知りたいからだろうか。そして、それを知って、自分もそのように自信を持ちたいからだろうか。 遺書 作者:松本 人志 発売日: 1994…

『松本』松本人志

先日、部屋の整理をしていて、島田紳助と松本人志の『哲学』という本を見つけ読み返した。この二人の動画はYouTubeでよく観るているが、二人が書いたものを読む機会はそんなにないので楽しく読めた。結果を出してる人の考えていることってこういうことなんだ…

『ここは退屈迎えに来て』山内マリコ

久々に小説を読んだ。そして久々に一気読みした。自慢じゃないが、僕が本を一気読みすることはそんなにない。いつもはそんなに集中力が持たない。でもこの小説はいけた。つまりそういうことだ。 ネタばれになるかもしれないから、内容には深くは立ち入らない…

読書記録 『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』著:橘玲

久しぶりに読書記録を書く。 最近は卒論関係の本を読むことが多く、他の本をあまり読んでいなかった (物理的に読む時間はいくらでもあったことは言うまでもない。ただただ、メンタル的に卒論に「忙しかった」のだ)。 昨日読み終わった本が橘玲さんの『残酷…

最近の読書『ネオサピエンス』

人と会わなくても生きていけるならそれでいいじゃん? 最近読んだについての緩い感想を書く。 本のタイトルは『ネオサピエンス』。著者は精神科医の岡田尊司さん。 ネオサピエンス 回避型人類の登場 作者:尊司, 岡田 発売日: 2019/11/21 メディア: 単行本 本…

最近の読書『働くことの哲学』

お金のために働くつもりです、今のところ 最近読んだ本の感想を書く。 本のタイトルは『働くことの哲学』。著者はノルウェーの哲学者のラース・スヴェンセン。 働くことの哲学 作者:スヴェンセン,ラース 発売日: 2016/04/07 メディア: 単行本 以前大きめの本…

最近の読書『ロミオとジュリエット』

春休みの最後のほう、つまり三月中旬から下旬に読んだ。 読んだ動機としては、いつものように「名前だけ知ってるけどストーリー知らんな」というのと「めっちゃ有名やけど何がそんなにすごいの?」というもの。 読んでみて実際面白かった。「結ばれない二人…

読書計画の振り返りと今後の展望

春休みが始まってすぐのころ、こんな読書計画を立てた 目標:『資本論』第1巻,第一篇,第一章(p、67-151)読了期限:三月末まで で、結果から言うとp、67~137まで、だいたい第一章と第二章を読んだ。 二月中は、暇で暇で暇すぎたこともあり、月の後半…

最近の読書

春休みに入ってから、卒論に使うかもということでブラックバーン著『倫理的反実在論』をちょっと読んでみている。 倫理的反実在論: ブラックバーン倫理学論文集 (双書現代倫理学) 作者:ブラックバーン,サイモン 発売日: 2017/02/25 メディア: 単行本 論文集…

今月の読書計画

2月、3月は春休みだから、読書計画みたいなものを立ててみたい。 長期休暇に読書計画を立てるのは初。 休暇の最初にいろいろ妄想をして、結局適当に読んでいってた。 別にそれでもいいけど、これだけは読みたいかなっていう本、特に大学の勉強とは直接 関…

読書ノート 『形而上学講義』/オルテガ・イ・ガセット(著)

形而上学のレポートを書くために図書館をさまよっている際たまたま見つけた本書。 オルテガって何か聞いたことあるなって思ってたけど、世界史で出てきた『反逆の大衆』の人だ。 本編開始早々「勉強することは虚偽である」とオルテガ教授は仰る。 レポートと…

読書ノート 『わたしを離さないで」/カズオ・イシグロ(著)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) 作者:カズオ・イシグロ,土屋 政雄 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 (ネタばれ注意) そういえばカズオ・イシグロ読んでないなという軽いノリで読んだ一冊。 SFのおすすめか何かに載っていて、SFとは思ってなか…